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公示地価を参考に土地や住宅の不動産売買をしよう

公示地価は国が公正な調査を行なった「その土地の適正価格」です。もちろん、公示地価で土地を売らなければならないということはなく、実勢価格は公示地価よりも上下しますが土地や住宅を買う人、売る人にとっては参考になる価格です。

公示地価がなぜ必要なのか

公示地価がなぜ必要なのか
公示地価は日本独自の制度です。生まれたのは1970年。当時日本の土地取引においては「売り手や買い手側の事情で取引価格が形成されることが多く、その価格が普遍的で妥当な土地価格であるとは限らない」という事情がありました。価格が決まるに至った根拠も不透明で、その決定の過程を外部に漏らしたがらない業界の性質があったのです。

そこで国が公正な基準を設けて調査をすることで、適正な価格を世の中に認知してもらい公正な値付けの参考にしてもらうという狙いがありました。

公示地価を知るメリット

公示地価を知るメリット
公示地価を知るメリットとしては以下が挙げられます。売買や値付けにおいて一定の信頼できる数値足り得るのが公示地価と言えます。

土地自体の公正な価格の目安がわかる

公示地価はあくまで建物や付随する特殊な事情を除いた「純粋な土地の価格」です。東京23区内であれば完全な更地が公示地価の調査地点に定められているケースは少ないでしょう。とはいえ、一つの売買における値付けの明確な基準であることは間違いありません。

建物+土地の不動産を購入する場合であれば周辺の公示地価を参考にして、不動産会社の値付けが妥当かどうかある程度判断することが可能でしょう。もちろん、土地によって固有の事情があるので、公示地価より実勢価格が上がることもあれば下がることもあります。23区内のような都心であれば上がるケースが多く、郊外や地方であれば下がるケースが多いです。

土地の価格変動の有効なデータとなる

公示地価は1970年から40年に渡って一定の基準で取り続けている土地の価格データになります。現在では多くの不動産会社が自社のホームページ上で物件の価格を公開しており、年度別の比較データも持っていますが、客観性という視点でいうと公示地価に軍配が上がります。

また、複数の不動産会社の物件データを合わせて地価変動のデータとしたものだと、評価基準が違うため正当性を判断しづらいです。公示地価が信頼度の高い土地の価格変動のデータであることは間違いありません。

公示地価の発表時期

公示地価の発表時期
公示地価は毎年3月中旬に国土交通省から発表されます。この時の価格は1月1日時点の評価額です。つまり2ヶ月以上ブランクがあり、このため「調査時期と大きなズレがある公示地価を発表するために、大規模な予算をかけて調査する意味があるのか」と批判の対象にもなっています。

公示地価が公表されるエリア

公示地価が公表されるエリア
公示地価が公表されるのは全国8300万筆の宅地のうち、わずか2万6000地点しかありません。ですので、いわゆる各都市で主要なエリアと呼ばれる場所でない限りは、多くの場合土地の価値を知りたい場所よりかなり離れたところに公示地価が提示されていることになります。これではあまり役に立ちません。これは公示地価が都市計画地を対象に調べていることが理由です。

公示地価は「住宅地」「商業地」「宅地見込地」「準工業地」「工業地」「調整区域内宅地」に分類されて調査、提示されます。

2019年の公示地価は全体的に上昇

公示地価が公表されるエリア
2019年の公示地価の平均は2018年と比べて上昇し、これは全国平均だと四年連続の上昇となります。特に東京・大阪・名古屋の3大都市圏では上昇が顕著です。地方に関しては27年ぶりに住宅地の公示地価が上昇になりました。


出典:国土交通省:地方圏でも住宅地が27年ぶりの上昇に~全国的に地価の回復傾向が広がる~


不動産の好況が続くのは東京オリンピックまででそれ以降は暴落するのではないかとも言われていますが、ことはそう単純ではないようです。

現在の好況は外国人観光客増加に支えられているのも事実ですが、それだけではなくオフィス用地や再開発事業の活発さにも大きく影響を受けています。必ずしも一時的な滞在客を目当てにした店舗やホテルの増加によるものとも限りません。

ビジネス用途での開発が見込めるエリアであれば安定して成長していく可能性は高いと言えます。

路線価とは何か

路線価とは何か
路線価は国税庁によって発表される土地の価格です。相続税を算出することが目的で各土地について設定される価格ですが、土地の価格の判断材料の一つになります。

路線とは「道路」のことです。一定の距離のある路線に面した土地の価値を算出するというもの。都市部に関してはほとんどの宅地が路線に面しているので、調査地点も膨大になります。41万点にも上り、公示地価と比較しても調べたい場所が路線価の調査地点に該当するケースは多いです。

ただし、路線価の場合は一つの路線に面する宅地の価格は同じに設定されるため、実勢価格とは大きな開きが出るケースも多いです。地形や土地の形、個別の事情などは路線価では考慮されません。都市部の場合は同じ路線でも上りと下りで路線価が異なるケースもあります。目安として公示価格の8割程度の価格に設定されます。
路線価は公示地価よりさらにタイミングのズレがあり、毎年1月1日の評価額が7月1日に公表されます。

基準地価とは何か
基準地価は地方自治体によって調査発表される土地の評価額です。公示地価とは違い、都市計画区域でない場所も調査対象となります。公示地価ではわからない土地の価値がわかるのです。基本的には公示地価と基準地価の調査地点は異なりますが、重複している場合もあります。

基準地価は7月1日の評価額が9月20日頃に発表されることになっています。公示地価と時期も異なるため、公示地価の3月と合わせて半期毎の土地の価格を判断することもできます。公示地価よりも基準地価が上がっていれば土地の価値は上昇していますし、下がっていれば土地の価値は下落しています。

公示地価を参考に適切な不動産売買を

公示地価を参考に適切な不動産売買を
公示地価がわかったからといって、適切な実勢価格がわかるかというとそう単純ではありません。公示価格は土地に付属する様々な要素を削ぎ落とした価格です。

一般的には実勢価格は公示地価の1.1倍と言われています。例えば公示地価が500万円の土地であれば550万円が実勢価格というわけです。

この価格よりあからさまに高額だったり低価格な場合は、どのような理由なのか不動産会社によく確認をする必要があります。納得できる理由がない場合は不動産会社が目を引くための値付けをしている可能性があります。

公示地価は土地の価格の参考にはなりますので、土地売買の際にはチェックしておくようにしましょう。

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