中古住宅のリノベーションで後悔しやすいポイント6つ
新築の注文住宅を購入するより中古住宅をリノベーションした方が、コストが安く理想の住まいを実現できるのではと考える方は多いかもしれません。今回はリノベーションをして後悔しやすいポイントについて紹介します。どんな家がリノベーションに向いているか、さらに公開に結びつきやすいポイントをしっかり押さえましょう。
リノベーションに向いている家とは
リノベーションにはそもそも向く家、向かない家があるため、向かない物件を選ばないことが大切です。まずは最低限、素人がリノベーション前提で家を選ぶ場合の3つのポイントをご紹介します。
1981年6月1日以降に建築確認が行われた物件
まず一つ篩にかけるポイントとしては築年数です。建物の安全性を考えた場合、1981年6月1日以降に建てられた物件(法的に建築確認が行われた物件)であれば新耐震基準で建築された物件です。2022年現在で考えると築41年以下の物件ということになります。
これ以前の物件だと新耐震基準を満たしていないため、安全性に不安があります。もちろん、築50年、60年のような物件でも傍目には状態が良さそうなものもありますし、レトロな木造建築などでちょっと手を入れたらいい物件になりそうと期待感が高まるものもあります。
しかし、1981年6月1日より前に建てられた物件の場合、実際に住むためのリノベーションを行う段階で想定していたより大掛かりなリノベーションになるリスクがあります。これは工期も長くなり費用も嵩み、事前に想定していた家と出来上がりが全く異なる可能性があることを意味します。
DIYでリノベーションを行うくらいの気合いがあればいいかもしれませんが、そうでもなければあまりに築年数が古い物件は選ばない方がいいです。
完了検査証の有無を確認
住宅は建築完了後に行政や検査機関に検査を申請しなければなりません。検査に合格することで完了検査証の交付を受けられます。しかし、古い住宅や違法建築物の場合、完了検査証の交付を受けていないものがあります。こういった物件はリノベーションのためのローンを金融機関で組むことができない可能性が高いです。
完了検査証がない物件を二束三文で手に入れて、DIYでリノベーションする等であればいいかもしれませんが、しっかりお金をかけてプロに施工してもらうのであれば、こういった物件は不向きです。必ず完了検査証の有無を確認し、交付されている物件を選びましょう。
マンションであれば築26年以降
マンションをフルリノベーションする場合、後々売却する際の価値もある程度気にするのが賢いです。東日本レインズのデータによると中古マンションは築26年で価格が底値を迎えます。つまり、築26年以降のマンションを購入してリノベーションすれば、売却時にも購入時とそれほど変わらない金額で売れる可能性があるというわけです。
リノベーションで後悔しやすいポイント6つ
実際にリノベーションをする段でトラブルが発生して、こんなはずじゃなかったと後悔することが多いポイントはどんなところでしょうか。素人が傍目には気づかない点も多いため、できるだけプロの目で物件自体を選んでもらうようにしましょう。
1.柱や耐震壁など動かせない構造物がある
建物の外観や雰囲気が気に入ったとしても、間取りを変えたいというケースは多いはずです。しかし、柱や耐震壁など動かせない構造物は室内にありますし、往々にしてその構造物によって間取りが左右されています。実際に設計を始めてみたら作りたい家にならないと後悔するかもしれません。
2.外壁修理が発生
外壁は塗装をし直せばいいと気楽に考えていたが、実際は外壁にクラック(ひび割れ)があり、修繕が必要なことがあります。外壁にひび割れにより雨漏りが発生すると、家自体の劣化が早くなります。せっかくリノベーションしても長く住めない家になってしまう可能性があるため、修繕の必要が生じ予想外の費用がかかるのも後悔の要因です。
3.基礎修理が発生
土台が腐っていたり基礎コンクリートのひび割れ、シロアリやネズミ等の獣害などで基礎修理が必要になることもあります。床を歩いて異音がしたり沈むような感じがある場合は注意が必要です。必ず物件購入前に基礎部分の調査をする必要があります。よく調査せずに購入すると予想外の工事費用がかかり後悔につながります。
4.配管修理が発生
トイレやバス、キッチンなどで表に見える水回りが綺麗でも、床下の配管が老朽化しているケースがあります。水漏れが発生してわかることもありますし、自分の理想の間取りでキッチンやバス、トイレの場所を変える際に、配管の現状を見て初めてわかるかもしれません。
老朽化していれば修理が必要ですし、構造によっては水回りの場所を決めることを断念せざるを得ないかもしれません。確認しておけばよかったと後悔するポイントです。
5.断熱性能が低い
古い住宅の場合、断熱材や断熱窓などが使われておらず、断熱性能が低い可能性があります。入居後に冷暖房の効きが悪い、暑い・寒い、冷暖房費用が嵩むなどの問題が生じることも。リノベーション時に施工内容に組み込んでおくか、こういうものと割り切っておかないと後悔します。
6.予想外の費用がかかった
このように購入時に気がつかない修理箇所が続々判明することで、予想外の費用がかかってしまう可能性があります。ここまでかかるのであればこの物件を選ばなかった、リノベーション済みの中古住宅を選んだのにと後悔するかもしれません。