妨害排除請求権(ぼうがいはいじょせいきゅうけん)
所有権等の物権の権利者が、その目的物を専有侵奪以外の方法で侵害している者に対して、排除を請求することのできる権利をいう。専有侵奪の場合にその回復を求める返還請求権、将来の妨害の予防を求める妨害予防請求権と並んで物権的(または物上的)請求権のひとつを成すものである。わが民法は、占有権について、専有保持、専有保全および専有回収の各訴を認める(民法198ないし200条)のみであるが、解釈上は、物権一般についての物権的請求権も認められている。妨害排除請求権は、所有権者から不真実な登記名義人に対する抹消等の登記請求をする場合とか、抵当権者から目的地上の樹木の伐採禁止請求をする場合等にも、認められる。