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建物付き土地の方が更地より固定資産税は本当に安くなる?更地に住宅を建てる場合の注意点は?

更地にしておくのと建物を建てるのでは、建物を建てた方が固定資産税が安いということを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では実際にどれくらい固定資産税額に差が出るのかシミュレーションしてみました。また、家を建てるタイミングや空き家を壊して新しく建物を建てる場合の注意点についても紹介します。

土地、建物の固定資産税とは

土地、建物の固定資産税とは
そもそも固定資産税は全国一律1.4%の税率となっています。そして、この税率は、各自治体が算出する固定資産評価額にかけて、固定資産税を計算します。

固定資産評価額の大体の目安として、土地の場合は時価の70%、家屋は新築の場合は請負工事額の50-60%となっております。家屋は年数がたてば法務局が定める経年減価補正により評価額が下がっていきます。

固定資産評価額は3年ごとに各自治体が評価の上決定しており、一度決定すると3年経つまでは固定資産評価額が変わることはありません。

更地の場合の固定資産税

更地の場合の固定資産税
ここからは、更地の場合の固定資産税についてシミュレーションしていきます。

例えば世田谷区の桜上水駅周辺に150m2の更地を持っている場合で考えてみましょう。不動産会社に更地の見積もりを依頼したところ、時価9,000万円と見積もりが出ました。

まずこの土地の固定資産評価額を算出します。土地の固定資産評価額の目安は時価の70%なので、

9,000万円×0.7=6,300万円

6,300万円がこの更地の固定資産評価額です。さらに固定資産税は1.4%なので、

6300万円×0.014=88万円

88万円がこの更地の固定資産税として算出できました。

もう少し広い土地、例えば250m2(時価1億8000万円)の場合は

1.8億×0.7×0.014=176万円
176万円が固定資産税となります。

建物付き土地の固定資産税

建物付き土地の固定資産税
次に建物付き土地の場合ですが、こちらは「住宅用地の特例」という制度により税負担が軽減されます。これが「更地よりも建物を建てた方が固定資産税が安く済む」といわれる所以です。

住宅用地の特例の内容は以下です。土地部分のみに適用されるので、住宅部分に対する軽減措置はありません。

・住戸1戸につき200m2までの小規模住宅用地:課税額が1/6に
・住戸1戸につき200m2を超えた部分の一般住宅用地:課税額が1/3に

上記に基づき建物付き土地の固定資産税をシミュレーションしてみます。

先ほどの桜上水駅周辺に150m2の土地(時価9,000万円)に築40年の木造住宅(新築時価格4,000万円)が建っていたとします。まずこの木造住宅の固定資産評価額を計算してみます。

法務局の木造建物減価補正率表によると経過年数27年以上の物件は全て0.20の減価補正率と定められています。建物の時価にそもそもの固定資産評価額の目安である0.6をかけ、さらに減価補正率をかけると

つまり、
4,000万円×0.6×0.2=480万円

480万円が建物部分の固定資産評価額となります。

次にいよいよ建物と土地を合計した固定資産税を計算していきます。土地の固定資産税は、更地の場合で算出した6,300万円をそのまま使います。

土地部分固定資産税:6,300万円×1/6×0.014=14万円
建物部分固定資産税:480万円×0.014=6万円

合計:14万円+6万円=20万円

建物付き土地の固定資産税は20万円となりました。同じ150m2の更地の固定資産税が88万円だったので、68万円も安くなった計算です。

また、もう少し広い土地の場合はどうでしょうか。桜上水駅周辺の250m2の土地(時価1億8000万円)に築40年の木造住宅(新築時価格8,000万円)が建っていたとすると

<評価額>
土地評価額
200m2までの評価額:1億4400万円×0.7=1億80万円
残り50m2の評価額:3600万円×0.7=2,520万円

建物部分評価額
8000万円×0.6×0.2=960万円

<固定資産税>

土地200m2までの固定資産税:1億80万円×1/6×0.014=25万円
土地残り50m2の評価額:3600万円×1/3×0.014=16万円

建物部分評価額:960万円×0.014=13万円

合計:25万円+16万円+13万円=54万円

250m2の建物付き土地の固定資産税は54万円となりました。先ほど同条件の更地の場合は176万円だったので、やはり相当な差があります。

基本的には「更地よりも建物付き土地の方が固定資産税が安くなる」と考えて間違いないでしょう。

建設中の建物付き土地の固定資産税

建設中の建物付き土地の固定資産税
上記を見て「更地に建物を一刻も早く建てたい」と考える人もいるかもしれません。特に更地を相続した方はそう考えるのが自然です。

しかし、固定資産税はその年の1月1日の状態が課税の基準となります。つまり1月2日に竣工しても、その年の課税は更地として扱われてしまいます。「住宅用地の特例」が適用されるのは1月1日に建物が建っている翌年からとなるので注意が必要です。だから、更地に住宅建設をする前に「どの年から住宅用地の特例を適用したいか」をよく考えましょう。

空き家を壊して家を建てる場合はどうなるか

空き家を壊して家を建てる場合もタイミングが重要になります。上記で説明したように固定資産税はその年の1月1日の状態が課税の基準となるため、当年1月1日時点で空き家が立っており、解体工事及び新しい住宅建築を終えて翌年の1月1日に新住宅が竣工している場合は、当年も翌年も住宅用地の特例が適用されます。

しかし、解体工事や住宅建設が長引き、翌年1月1日に竣工していない場合、翌年は住宅用地の特例が適用されず、更地の場合の高額な固定資産税が課税されてしまいます。

つまり、空き家を壊して家を建てる場合は、年内に解体及び竣工まで終わらせるようなスケジュールを組まないと固定資産税が大幅に上がってしまうので注意しましょう。

空き家をそのままにするリスク

空き家をそのままにするリスク
「空き家をどうしようか悩んでいるけど、更地にすると固定資産税が高くなるし、かといって新築の家を建てるのには資金が足りない。とりあえず固定資産税が安い空き家をそのままにしておこう」と考える人も多いはずです。しかし、法改正により、空き家を放置しておくリスクは上がりました。

改正空家対策推進特措法が2023年12月に施行され、管理不全空き家というカテゴリーが追加されました。これは危険な状態である特定空き家の一歩手前の状態で、適切な管理が行われず周辺に悪影響を与えかねない物件が指定されます。具体的には1年以上誰も住んでおらず、壁や窓の腐食破損、雑草や枯れ草がそのまま、ゴミの放置などが生じている物件です。

この管理不全空き家に指定されると住宅用地の特例である固定資産税を1/6(200m2を超える部分は1/3)に軽減する措置が適用されなくなります。だから、空き家の方が固定資産税が安いからといって、管理もせずに放置することはもうできなくなりました。

更地にして自分で家を建てるか、売却してしまうか

更地にして自分で家を建てるか、売却してしまうか
住宅用地の特例は大変大きな節税につながるので、更地を持っている方は、家を建てることを検討するのがおすすめです。しかし、せっかく家を建てても売れなければ損をしてしまいます。また、空き家が立っている土地があっても、自分では解体建設や運用が難しいという方もいるかもしれません。
更地に人気のでやすいデザイン性の高い物件を建てるなら健ハウジングのアーバニティがおすすめです。更地の運用にお困りの方、空き家をどうしようかお悩みの方、ぜひお気軽にご相談ください。

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