リノベーション費用にいくら予算が必要か。水回り工事など部門別の費用目安を解説
リノベーションをするのにかかる費用を知るためには、そもそもどういった工事にいくらかかるのか部門別の費用目安を知ることが大切です。今回は特に人気の水回りリノベーションを含めた場合にどんなリノベーション予算になるのか、部門別の費用目安、手持ちの予算でどこまでできるのかを紐解いてみました。
リノベーションしたい場所ランキングは水回り関係が人気
2023年10月の「【男女1000人に聞いた】リフォーム・リノベをしてみたい場所ランキング!」の調査によると、1位がキッチン、2位が浴室という結果になり、水回り関係のリノベーションのニーズが高いことがわかります。
キッチンに関しては「ガスからIHにしたい」「設備をオール電化にしたい」「システムキッチンを導入したい」「広くしたい」と設備の入れ替え、レイアウトの変更を望む声が多く見られました。
浴室に関しては「素材をカビや汚れに強いものに変えたい」「最新設備に変えたい」「バリアフリーにしたい」といった老朽化の解消や、ライフステージの変化への対応を望む声が目立ちました。
第3位のリビングは広い間取りに変更したい、第4位の床・壁は古く汚れているものの交換や高い断熱性能や人体に無害なものを導入したいという趣旨の回答が多数。第5位の外壁は色や素材を変えて気分を一新したり、割れている箇所を修理したいという見た目と住まいの質両面からのニーズが見られました。第6位のトイレは汚れているから交換したい、自動洗浄機能有りのものにしたいという回答がありました。
このアンケートからも分かるように、今リノベーションをしたいと考えている方の多くはキッチン、浴室、トイレのいずれかの「水回りのリノベーション」が工事に含まれていることが多いのではないでしょうか。
水回りのリノベーションはリノベーションメニューの中でも内容によって費用の変動が激しい工事です。キッチン、浴室、洗面台、トイレの水回り4点の設備をまとめてリノベーションする場合は250~300万円が目安となります。ただし、さらに大掛かりな水回りの移動や配管をいじるような工事を行う場合は追加で100~200万円程度がかかります。
そのため、リノベーションにおいては、どの程度水回りの工事にお金をかけるかで他の場所に使える費用が変わるため、まずは水回りからどうするか計画を立てるのがおすすめです。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000950.000044800.html
総予算500万円でどこまでできる?
上記の部分別のリノベーション費用をもとに、総予算500万円でどこまでできるかシミュレーションしてみます。例えば、水回り設備(4点)の交換を必須だとすると、この時点で250万円はかかります。
残り250万円をどう割り振るかを考えると
- 間取り変更:100万円
- 壁紙、フローリングの貼り替え:150万円
という組み合わせが考えられます。
マンションのリノベーションであれば、上記のような組み合わせで水回りから、間取りから、内装までカバーできるため、500万円あればノーマルレベルのリノベーションはできるといえるかもしれません。
しかし、戸建住宅のリノベーションだと同じ内容でも500万円に収めるのは厳しい可能性があります。2階建てだと延べ床面積が多いため、リノベーション範囲が広くなるからです。住宅全体の壁紙、フローリングの貼り替えをするなら、1階2階を合わせてマンションの倍の費用がかかる計算になります。間取り変更も住宅全体に対して行うなら費用が嵩む可能性があります。戸建住宅のリノベーションはマンションに比べて倍の費用がかかるくらいで考えておいた方が良いでしょう。
本気のフルリノベーションをする場合に必要な予算は?
上記を踏まえて、本気で理想の住宅を実現すべく、2階建て戸建て住宅をフルリノベーションするのに必要な予算はいくらなのか計算してみます。最新の設備を入れると仮定して、見積価格は各工事の価格上限に設定します。
- 水回り設備4点(キッチン、バス、洗面台、トイレ)の交換:300万円
- 1階、2階の壁紙、フローリングの貼り替え:400万円
- 1階、2階の間取り変更、水回りの移動:400万円
- 1階、2階の建具(扉等)、収納の交換:200万円
- 外壁:100万円
上記を合計すると1,400万円となりました。実際には少し割引が入るかもしれませんが、この規模の工事だと元々の建物の躯体だけ残すスケルトンリノベーションとなり、かなり大掛かりな工事となります。
考え方としては、1,500万円程度あれば大抵の望みは叶えられるが、そこから自分の予算に合わせてどう妥協していくかということになります。手間や費用を考えた結果、それなら新築を購入した方が良いとなるかもしれませんし、リノベーションをする箇所を工夫しながら今の住宅をより良いものにしていくのもありです。納得のいく選択肢を選びましょう。