子育て世代が住むならどこの自治体
小学校に上がるタイミングや低学年の時点で転居を考えるご家庭は多いのではないでしょうか。その際に子供が通うことになる学校の評判や雰囲気は気になるところです。公立小学校の場合、そのエリア全体の教育環境や住んでいる人々の属性によって、学校のレベルも左右されます。
週刊ダイヤモンドオンラインの東京・小学校区「教育環境力」ランキングでは、自治体別に学力偏差値を抽出し、教育環境がいいランキングを作成しています。
https://diamond.jp/articles/-/219179
このランキングは国語と算数の偏差値から学力偏差値を割り出したものです。
1.文京区
2.武蔵野市
3.千代田区
4.中央区
5.目黒区
6.世田谷区
7.港区
8.新宿区
9.杉並区
10.江東区
上記がランキングトップ10です。やはり名門中高が多かったり、高所得者層が多く住むイメージのある自治体がランクインしています。
ここからは具体的に都内のエリアの特性について考えていきます。
中学受験前提なら23区内
中学受験を子供にさせるつもりなら、23区内に住んでおくのが間違いありません。前述のランキングトップ10に入る自治体のご家庭では中学受験が一般的ですので、同級生の親同士の情報交換も盛んに行われています。
また大部分の名門中学・高校も23区内にあるため、入学後通いやすいです。
23区内で上記ランキングに乗っていればどこに住んでもいいかというとそういうわけではありません。極端な話、ランクインしている新宿区でも神楽坂と大久保では全く教育環境も住んでいる人々も異なります。エリアの細かい特性をよく考えなければなりません。
とはいえ、全体としては、子供の教育に関して最も安心できるエリアと言えるはずです。学校の先生方も中学受験や塾通いに関する理解が自然と深くなっています。
高偏差値の中高が多い中央線沿線
中央線沿線も候補に入るエリアです。昔から大学の付属高校が沿線に軒を連ねており、高偏差値の学校入学を目指す子供達を指導する進学塾もしのぎを削っています。
都心から離れたイメージのある国分寺、国立エリアでは昔から進学熱が高く、小学校のクラスの8割りが受験するようなケースも珍しくありません。
周囲の教育環境も整っており、学校の理解も得られやすいと言えるでしょう。
とはいえ、進学熱が高い家庭と低い家庭が混在しているのが吉祥寺以西の中央線エリアなので、入学する学校によって教育環境が大きく異なります。
子供の学力を高めるなら立川から西はダメ
高学力、中学受験というキーワードを重視するご家庭の場合、立川から西はあまりおすすめできません。立川、八王子、福生、青梅などのいわゆる三多摩地域は教育熱は低く、中学受験をする子供はクラスに2人いれば多いくらいの割合です。
教育環境としても補習目的での塾通いや公立高校を目指すための塾通いをするご家庭が多く、学校の先生からの理解も都心にくらべると得づらい可能性があります。
世田谷区がおすすめの理由
さて、以上が東京都を大きく分けたエリアの特徴ですが、自治体別で一番お勧めできると考えるのは世田谷区です。世田谷区は高偏差ランキングだと6位にランクインしています。他の自治体と比較した強みはどんなところでしょうか。
名門「公立小学校」がある
世田谷区は23区で最も広い自治体なので、区内でも様々な特色があります。そんな中でも教育に力を入れていると人気なのが、砧、三軒茶屋、玉川エリアです。
砧はいわゆる成城エリアで、昔から裕福な地元の人々がすみ、芸能人や高所得者のファミリーも移住してきます。その中でも明正小学校は世田谷区で最も教育環境が整っていると評判です。
三軒茶屋は大手企業の社宅が多いため、比較的生活に余裕があり子供にハイレベルな教育を受けさせたい家庭が集まりやすいです。玉川エリアは新興のタワーマンションや住宅地が並ぶため、教育熱の高い親が集いやすい風潮があります。
比較的裕福で教育に力を入れている家庭が多い
教育熱がある家庭は裕福なケースが多く、2016年のデータだと世田谷区住民の年収平均は23区内で7位、全国だと10位です。
こういった家庭は情報収拾も積極的なので、各公立小学校の指導についてや先生の特徴についても親同士で情報交換を行なっています。
帰国子女の受け入れに慣れている
帰国子女のお子さんの場合、日本の学校の雰囲気や先生の指導方法に馴染めず、結局高くて遠いインタースクールに転校となるケースも多いです。世田谷区の場合、海外で働いていた高所得者の子供が帰国子女として転校してくるケースも珍しくないため、先生方も他自治体に比べると受け入れに慣れています。やはり、高所得者が集まる自治体ならではといえるでしょう。
他の区に比べると盛り場エリアが少ない
港区なら六本木、渋谷区なら渋谷、豊島区なら池袋、新宿区なら歌舞伎町と、各自治体必ずランドマークになる盛り場エリアがあります。教育的な観点で言うと悪影響が大きく、親としてはあまり子供を近づけたくありません。
しかし世田谷区はパッと思いつく盛り場エリアがありません。唯一あるのが下北沢ですが、盛り場というよりはサブカル的な要素が強い街です。
JRが通っている大きなハブ駅がないため、23区にしては交通の便がよくないのが世田谷区のデメリットと言えます。しかし、下北沢周辺に住めればこのデメリットをある程度解消できます。駅周辺は繁華街やショッピング街があるものの、教育環境的な心配はほぼありません。
都心の割に自然が多い
広大な面積の世田谷区は、等々力渓谷や上野毛自然公園、砧公園をはじめとして、区内に自然環境が大変多いのが魅力です。自然が多い=穏やか・静かにもつながりますし、結果として集中できる教育環境ともいえるのです。
まとめ
都内の教育環境とおすすめの世田谷区についてご紹介しました。住宅自体や交通の便ももちろん大切ですが、教育環境も住環境を構成する大切な要素です。自分が選ぼうとしている心境からは
どこの学校に通えるのかを事前に必ず確認しましょう。
特に世田谷区は学区制なので基本的に越境入学はできません。越境入学ができる自治体もありますが、子供が通うことを考えると学区内で楽に通えて周辺のご家庭との情報交換をできるのが理想です。