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持ち家でリースバックを活用して資金調達をするメリット・デメリット

持ち家を活用した資金調達方法にリースバックがあります。持ち家さえあれば高齢者でもまとまったお金が手に入るため、老後の生活資金や介護施設入居費用、さらに相続対策として注目を集めています。しかし、メリットがある一方、よく理解せずに契約した結果後悔するというケースも少なくありません。今回は、リースバックのメリット、デメリット、注意点について紹介します。

リースバックとは

リースバックとは
リースバッグとは、持ち家を売却したのち改めて賃貸契約を結ぶことで、同じ家に住み続けるという方法です。売却をすることでまとまったお金が手に入り、さらに転居の必要がありません。

リースバッグは下記のようなケースでよく利用されています。
  • 老後の生活資金が必要だが今の持ち家から転居はしたくない
  • お金は必要だが子供の学校等の事情で引っ越しをしたくない
  • 医療費や介護施設への入居費用でまとまった金額が必要
  • 生前に相続対策を済ませたい
  • 家を売ったことを周囲にバレたくない

リースバックのメリット

リースバックは金銭的なメリットだけでなく、ライフスタイルに関するメリットもあります。具体的に6つ紹介します。

まとまった資金が手に入る

持ち家を売却するわけですから、融資等では難しいようなまとまった金額が手に入るのはメリットです。特に高齢の場合は融資の審査も通りにくくなりますし、さらに介護施設の入居一時金等で1000万円を超えるような費用が生じることもあります。そんな時にリースバックを使えば資金を調達することができます。

売却後も家に住み続けられる

売却後に賃貸借契約を結ぶことで、同じ家に住み続けられます。高齢になると新たな物件で賃貸借契約をするのが難しいことがあるので、リースバックのメリットは大きいです。また、転居がないため、子供の転校も必要ありませんし、転居に伴う費用が発生しません。これまでのライフスタイルをほとんど変えることなく生活できるのはメリットです。

周囲に売却したことがわからない

また、周囲に売却したことがわかりません。離婚や事業失敗に伴う資金を調達したいといった、知られたくないことがある際に、リースバックならまとまった資金を用意できる上に、転居もないので、メリットがあります。

固定資産税や維持費がかからなくなる

売却することで所有権がなくなるので、固定資産税や維持費は払う必要がなくなります。売却後は新しいオーナーがこれらの費用を支払います。

買い戻しができる

一旦リースバックを行ってから、買い戻しを行うことも可能です。例えばリースバックで一時的に資金を手に入れ、用途を済ませて余った資金を買い戻しの購入資金にあて、新たに住宅ローンを組むという方法が考えられます。

リースバックのデメリット

リースバックは一見売却前と変わらない生活に目が向きますが、実際にはさまざまな変化があります。よく理解せずにリースバックを行うと「思っていたのと違う」と後悔しかねません。リースバックのデメリットを紹介します。

周辺相場より高い毎月の家賃が発生する

リースバック物件の家賃は周辺物件とは異なります。目安としては売却価格の8〜10%が家賃金額です。この計算だとほとんどの場合、周辺物件よりも家賃が高くなります。このようにリースバック物件の家賃は売却金額が基準となるため、あまり売却金額を高くしても結局そのあと毎月支払う家賃も高くなってしまいます。

設備の入れ替えやリフォームが自由にできなくなる

リースバック後は物件の所有権が別の人の手に移ります。住まいとしては一見変わりませんが、自分のものではなくなっているため、勝手に設備入れ替えやリフォームなどができなくなることが多いです。勝手におこなってしまうと、退去時や賃借人死亡時に原状回復費用を請求される可能性があります。

契約内容によっては賃貸契約が更新できないことがある

一般的な賃貸契約である普通借家契約であれば、借主が希望すれば基本的には同条件で更新が可能です。ただし、中には定期借家契約となっている物件もあり、この場合は元々設定されている期間終了後は再契約ができず退去しなければいけない場合があります。また、再契約が可能でも諸条件を新たに貸主側が設定できるため、リースバックを利用する借主にとっては定期借家契約はデメリットが大きいです。

譲渡所得に対して税金が発生する

物件の売却で得た譲渡所得には税金が発生するため、丸々懐に入れられるわけではありません。

買い戻しの際の金額が売却金額より高くなる

当たり前ですが、仕入金額よりも高値で売却するのが商売です。リースバックの買い戻しをする場合、不動産会社にとっては仕入れ元とその後の売却先が同じになりますが、仕入れ値より売却値は高くするので、買い戻しの際の金額は売却金額よりも高くなります。

リースバックする際に注意すべきこと

リースバックする際に注意すべきこと
リースバックをする際にはそもそもリースバックについてよく理解していること、さらに業者を比較しさまざまな角度から検討することが大切です。具体的な注意点を5つ紹介します。

本当にリースバックが良い方法なのか、よく検討する

リースバックは下記条件を全て満たしている場合に向いています。
  • まとまった金額が必要
  • 売却後も同じ家に住み続けたい
  • 借金をしたくない


仮にいずれかだけの場合は、普通に売却して転居したり、リバースモーゲージを利用して借入をするなど、別の方法を検討した方が良いケースもあります。

売却額と家賃のバランスが適切か

悪質な業者だと、非常に安い金額で買い叩いて、高額な家賃を設定するというケースが見られます。契約を決める前に、複数のリースバック業者に見積もりを取る等、1社のいうことを鵜呑みにしないようにしましょう。

買い戻しに条件があるか

買い戻しができるということだけに注目して価格や可能期間の確認を忘れることがないように気をつけましょう。いざ買い戻そうとしたら想定より高い金額だった、可能期間が過ぎていた等で買い戻し不可だったということがあります。

賃貸契約の期間などの条件があるか

どのような賃貸契約か、さらに期間が明記されているかなどしっかり確認しましょう。普通借家契約の場合は問題は生じにくいですが、定期借家契約と記載があった場合、契約にはかなり慎重になった方が良いです。契約期間に定められている年数が経過したら更新はできないものと考えて、本当にそれで良いのか検討しましょう。また、他のリースバック業者にも普通借家契約にできるか確認しましょう。

設備入れ替えやリフォームの際の条件

賃貸契約に切り替えた後に、設備入れ替えやリフォームを行う場合の条件も契約時に確認しましょう。そもそも売却後は持ち主が変わるので、賃貸物件の修繕や管理の費用を負担するのは新オーナーです。だから、何か不具合が出たら新オーナーもしくは管理会社に連絡して先方の費用負担で行ってもらうことになります。逆に住人が自由に物件の内容を変更できなくなるということでもあるので、どこまでが良くてどこからがダメかも良く確認が必要です。

リースバックについてよく理解してから利用しましょう

リースバックについてよく理解してから利用しましょう
まとまった資金が手に入りつつも持ち家売却後もそのまま住み続けられるのは、メリットとしてインパクトがあるため、良いところに注目して契約しがちです。しかし、所有権の移転により裏側では状態が大きく変わっており、それによるデメリットも確かに存在します。リースバックはよく理解してから、信頼できる業者で利用するようにしましょう。

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