フルリフォームの工事種類や築年数別の相場を紹介！

リフォームの本来の意味は「改修」です。つまり建物のベースとなる部分は残しつつ悪くなったところを直すことを指します。そう考えるとフルリフォームとは建物全体の改修工事をすると捉えることができます。

しかし、実際は建物の間取り変更や基礎工事などベースとなる部分も全て交換する工事もフルリフォームと呼ばれています。本来この規模の工事は「リノベーション」と呼ばれるのが適切かもしれませんが、現実にはすでにフルリフォームの一種とされているため、フルリフォーム=中古住宅の大規模な改修・再生を幅広く指すと捉えるのが良いでしょう。

フルリフォームは物件や工事によってかなり価格が異なり、相場としては500〜4,000万円程度となります。フルリノベーションの面積や入れ替える設備、物件の築年数などによっても変わるため、まずはフルリノベーションを行う目的を考えることが大切です。

古くなった表面を綺麗にしたいのか、建物全体の老朽化を解消したいのか、設備面をリニューアルしたいのか、それによってフルリフォームとはいってもどこに重点的に投資するのかが異なります。

フルリフォームというからには建物を全体的にリフォームするわけですが、それにも程度があります。程度が浅いものから順に費用相場を見ていきましょう。

床やクロスなどの表面的な部分だけ改装することを化粧直しといいます。素材によって幅がありますが交換費用の相場は約8,000～1万5,000円/㎡です。例えば40坪の住宅であれば133㎡程度なので1万円/㎡の素材を使ったとしたら133万円ということになります。実際にはこんなに単純ではありませんが、なんとなくの目安にはなるかもしれません。

他に化粧直しとしては外壁塗装も考えられます。こちらに関しては塗料や加工方法によってさらに幅があるのと、足場代なども発生するので目安が難しいですが、80〜200万円程度はかかると考えておけばいいでしょう。

さらに、設備を入れ替えたい場合もあるかもしれません。こちらはどのグレードの設備に入れ替えるかによってかなり費用が変わります。一般的にキッチンのリフォームは約40～100万円、バス・トイレのリフォームは約30～200万円が目安です。また、水道管の構造によっては追加工事が発生する場合があります。

上記の前提で建物全体の床・クロス張り替え、外壁塗装、キッチン・バス・トイレの設備入れ替えをおこなったと仮定すると、大体以下の費用になります。

140万（床・クロス）+120万（外壁塗装）+150万（キッチン・バス・トイレ）=410万円

これより安くなるケースももちろんありますが、おそらく300〜600万円程度はかかると考えておきましょう。

内部を全て解体する場合には２通りあり、ある程度躯体を残し既存の間取りを生かす場合と、間取りを全て新しくする場合があります。当然前者より後者の方が費用が高くなります。

まず、間取り変更をしない場合、部屋の１室リフォームが30〜200万円程度です。これに廊下や玄関などのリフォームが各10〜50万円程度となります。仮に3LDKの場合、1室150万円リフォームにかかったとすると150万×4室=600万円はかかる計算です。これに加え、廊下や玄関、さらに前段の設備入れ替え費用も発生します。

ざっと計算しておそらく800〜1,500万円程度が内部のみ解体した場合（間取り変更なし）にかかる費用です。

間取りを全て新しくする場合、間仕切り壁の撤去及び設置にかかる費用は10〜30万円程度、さらに間取り変更には20〜400万円程度がかかります。家全体の間取り変更であれば400万円と考えた方がよさそうです。

ざっと計算して間仕切り壁＋間取り変更には500〜700万円程度はかかるでしょう。つまり、先ほどの間取り変更をしない場合にこの費用を上乗せした1,300〜2,200万円程度が内部のみ解体した場合（間取り変更あり）にかかる費用です。

内部はそのままで外壁のみ解体する場合はあまりイメージできないかもしれません。しかし、古い住宅で断熱材が入っていない場合に、外壁のみ解体して最新の建材を入れることはあります。

こちらの費用目安は1,500〜2,000万円程度となります。

ここまでお話ししたすべての施工を全部行う場合が内部も外壁も全て解体した場合です。イメージ的には②+③ということになります。つまり、2,800〜4,200万円程度が文字通りフルでリノベーションした場合の費用目安です。

どの程度までフルリフォームを行うかは建物の老朽化具合が大きく関係しています。老朽化に直結するのが築年数なので、ここからはフルリフォームの築年数別相場感を見ていきましょう。

物件によって個体差はありますが、損傷が薄い物件であれば外壁や屋根の修復、クロスや床の張り替えくらいで済むかもしれません。その場合であれば10〜200万円程度が目安となります。

水回りにガタが来始める頃です。単なる水道工事でなくキッチン・バス・トイレなどの設備の入れ替えをする場合は100〜300万円程度が目安となります。

さらに、内装の大規模な化粧直しや外壁や屋根の修理が発生するのもこの時期。比較的大掛かりな工事なので200〜400万円程度は見ておく必要があります。

この時期になると今回の記事で紹介しているフルリフォームが現実的になります。建物自体や設備が老朽化しているのはもちろん、部屋の間取りや建物の作りがライフスタイルに合わなくなっている可能性があり、続けて住むにしても売却するにしてもこのままでは厳しいという状況になっているかもしれません。

費用に関しては最低でも1,000万円程度は見ておいた方が無難です。詳しくは前段のフルリフォームの種類別相場感をご覧ください。