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築古物件を購入する際に忘れてはいけない8つの注意点

安い築古物件を購入して高い利回りで運用しよう、自分好みにリノベーションして理想の住まいにしようとお考えの方、築古物件は購入前に必ずチェックすべき注意点があります。今回は築古物件を購入する際に忘れてはいけない8つの注意点をご紹介します。

築古物件とは

築古物件とは
築古物件とは明確に法的な定義はありませんが、築年数30年以上の物件を指すことが多いです。木造住宅の法定耐用年数が22年と定められているので、それを超える築年数が築古と呼ばれるようになったと言われています。

ただし、木造住宅は30年経つと住めなくなるということでは全くなく、築20年で既に状態が悪い物件もあればしっかりメンテナンスをしており築60年でも質を保っていることもあります。また、鉄骨およびRC造の耐用年数は47年となっていますが、これもメンテナンス不良などによって外から明らかに劣化がわかる場合もありますし、水回り等の建物内部に不具合が出ていることも珍しくありません。

築古物件は新築より安く購入できますし、収益用物件として運用する場合は低コストで利回りを出せるので節税対策にもなると人気です。しかし、物件の選定を間違えるとメンテナンス費用ばかりがかかったり、空室が埋まらなかったり、さらに売却時に想定通りの金額にならない可能性があります。築古物件は新築購入よりも慎重に行わなけれなならないのです。

築古物件でチェックすべき8つの注意点

築古物件でチェックすべき8つの注意点
築古物件を検討する際にチェックしたほうが良い箇所を8点紹介します。素人では判断が難しいこともありますので、その場合はホームインスペクション(住宅検査)サービスを利用するのも視野に入れましょう。

①物件の傾きはないか

物件が傾いていると傾きの程度にもよりますが、不快感を覚えたり眩暈の原因になったり自律神経を乱したりと、健康を害する原因になります。また、地震等で倒壊のリスクもあるので、物件の傾きがないかは重要なポイントです。

仮に床のみが傾いていた場合はその部分の修理だけで済みますが、問題なのが
・建物自体が傾いていた場合
・地盤が傾いている場合
です。

この場合は耐震性に危険がありますし、さらに高額な工事費がかかったり、そもそも工事によっても解決ができない場合もあります。

傾いている物件は健康不安、地震倒壊、さらに売却時に買い手がつかないというリスクがあるため、購入は避けなければなりません。

②天井などにアスベストが使用されていないか

アスベストとは日本語で石綿という鉱物の一種です。肺がんや中皮腫などの原因になり人体に有害であるということで現在では住宅への使用が禁止されていますが、1975年に法改正が行われるまでは使用に制限がありませんでした。1975年以降もアスベスト含有率5%までは使用が許可されており、1995年に1%、2006年に0.1%、2006年にようやく全面禁止となりました。

だから、1994年以前に建てられた建物(築29年以上)からアスベストのリスクが上がり、さらに1974年以前に建てられた建物(築49年以上)の建物はほぼ制限がないためかなりの確率で使用されていると考えたほうが良いです。当時は断熱や保温の用途で活用できる便利な素材という位置付けでした。

築古住宅を購入しリノベーションをしたところアスベストが使われていたことがわかると工事費や撤去日が通常より高くなります。補助金が出る自治体もありますが、築古物件検討時にアスベスト工事が発生するか否かは把握した上で、購入を検討しましょう。

③再建築不可物件でないか

築古物件は、現在の建築基準法が施行される前に建てられたものがあり、現在の基準を満たしていないとして建て替えや大規模なリノベーションができない再建築不可物件となっていることがあります。代表的な例としては接道義務(行動に2.0m以上面していなければならない)を満たしていない物件は再建築不可物件です。

これをよく理解せずに再建築不可の築古物件を購入すると、思ったリノベーションができなかったり売却時に相場より相当安くなってしまいます。

④新耐震基準を満たしているか

現在住宅の地震に対して満たすべき強度を定めた新耐震基準は1981年に施行されたものです。さらに木造住宅に関しては2000年にも新たに設計の決まりが加えられました。つまりそれ以前に建築された住宅に関しては旧耐震基準なので、強度が弱いということになります。築42年以上の物件は旧耐震基準です。

旧耐震基準の住宅は安全性に不安があるのはもちろん、住宅ローンを組む際や住宅ローン減税の活用に制限がかかります。また、購入後にやはり工事が必要になったり、売却時に売りづらかったりするため、購入を避けるか、現行の基準を実質的に満たしていることを証明する「耐震基準適合証明書」があるか確認しましょう。

⑤カビや異臭がないか

カビや異臭などがある場合、断熱材が機能していなかったり、風通しに問題がある場合があります。新しい物件であれば基準を満たした断熱材で室外の冷気が入ってきませんが、古い物件だと例えば冬に冷気が室内に入ってきて、それが暖房で温められ結露を引き起こします。結果、窓枠や壁などがカビたりします。さらに風通しが悪いと湿気が乾きにくくカビの発生を助長します。

健康上の問題も発生しやすくなりますし、やはり売却時に不利になります。壁の断熱工事を前提として購入する必要があることを頭に入れておきましょう。

⑥壁面等にヒビが入っていないか

壁面にヒビが入っているのは建物の安全面の不安もさることながら、雨漏りのリスクもあります。壁に染み込んだ雨が建物内部に雨漏りしてきます。水が室内に入ってくるのが嫌だというのに加え、雨水が染み込んだコンクリートは劣化していきますので、地震での倒壊リスクも高くなります。

コーキング工事などで応急処置はできますが、大規模な修繕費用が発生する可能性が高いので、購入時にどの程度の状態なのか把握するようにしましょう。

⑦水回りに異常はないか

ぱっと見問題なくキッチンやバス、トイレの水が流れているように見えても、水道管が劣化しており、ゆくゆく破裂したり既に少しずつ漏れていることがあります。これも大規模工事が発生するリスクなので、事前に点検してもらったほうがいい項目です。

⑧設備がどの程度古いか

設備が古い物件を自分が住む目的で納得して購入する分にはいいですが、収益用物件として賃貸に出す場合、そのままでは客がつかない可能性があります。そのため、予定していなかった設備入れ替え費用が発生する可能性があるので、現在の住まいとして一般的な環境なのかを購入時によく検討し、必要な設備交換の見積もりを出しておく必要があります。

築古物件の購入は慎重に!

築古物件の購入は慎重に!
良い状態の築古物件はそうそう売りに出ておらず、大体何かしらの問題があると考えたほうが良いです。購入後に発生しうるトラブルのリスクと購入費用、利回り等のバランスを見て購入を検討する必要があり、そのためには購入前にしっかり調査をすることは欠かせません。そのためには現地に足を運んで内見を繰り返すのがまず基本になります。

健ハウジングでは築古物件の現地見学会を開催しております。担当者が状態をご納得いくまで説明いたしますので、気になる物件がございましたら一度お気軽にお問合せください。

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