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老後に住み替えるならマンションと戸建どちらがおすすめ?

老後に住み替えを検討するにあたり、マンションと戸建どちらが良いか悩んでいる方も多いはずです。また、老後だからのんびり田舎で過ごすという理想がありつつも、車が運転できなくなったら家から出られなくなるという不安もあるのではないでしょうか。今回は老後に住み替えをするならマンションと戸建どちらが良いのか解説します。

高齢者の住まいで多い悩み

高齢者の住まいで多い悩み
高齢者は住まいにどんな悩みを抱え、老後に住み替えを検討するのでしょうか。NPO法人「老いの工学研究所」の調査によると65歳以上の高齢者は主に9つの悩みを住まいに持っていることがわかりました。どのような課題が老後の住み替え要因になるか見ていきます。

防犯

犯罪者を撃退するための住宅設備に不安があることがわかります。不審者の侵入や強盗などに遭遇した際に、肉体的に衰えた状態で立ち向かうことは難しいでしょう。また、近年多い電話や訪問による詐欺などを高齢の自分一人では見抜く自信がないという方もいるのではないでしょうか。

温度管理

冬場であればヒートショック、夏場であれば熱中症で死亡した高齢者の報道をよく目にします。築年数が古い一戸建てだと断熱機能が低い場合があり温度調整を安定させるのが難しいです。また、高齢の方だとエアコンを使用する習慣がなかったり節約の観点から冷暖房をつけずに過ごす方も多く、それも健康面で悪影響を及ぼします。さらに、体温調節機能の低下により、熱中症になっていることに気が付かずに倒れるケースもあります。

家が広すぎる、部屋数が多い

子供が独り立ちした家は夫婦や一人で住むには広すぎ、部屋数も多いです。手入れが行き届かなくなり埃や汚れがちになったり、掃除を毎日することで疲労が溜まり怪我につながることも。老後は自分の手が届くコンパクトな住まいに住み替えたい高齢者は多いようです。

防災面での不安

地震や火災の際に安心して避難できるか、そもそも地震等に耐えられるかも不安があります。築年数が古い家だとやはり耐久性が心もとないですし、また、老後に足腰が弱ったり病気を抱えた状態で一人で避難できる周辺状況かは気になります。

段差や階段

住宅内の段差や階段は転倒の原因になりますし、高齢になると登ったり乗り越えるのがしんどくなります。結果、住宅内の限定したエリアだけで過ごすことが増え、家の手入れが行き届かなくなったり歩かないことで体力が落ちたりします。

スーパーや駅などから遠い

高齢になり車の運転をしなくなると、駅から遠いエリアに住んでいる人は生活の利便性が落ちます。徒歩や本数が少ないバスに頼らざるを得なくなることで、家から出るのが億劫になり生活が孤立しがちになります。外の世界の刺激がなくなることで認知症のリスクも上がります。

体調が悪化した場合の孤立が不安

老後に高齢者単独で暮らしている場合、急に体調が悪くなったり怪我をした場合に助けを求めるのが難しい場合があります。孤独死は急な体調悪化や事故に気づかないことが原因で多く発生しています。

周辺の立地が坂道が多い

高台などにある自宅の場合、足腰が弱くなると暮らすのが大変になります。坂道が多いと外出が億劫になりますし、また家の出入りをするにも階段や傾斜を登る作りになっている場合も。老後は平地に越したいというニーズは多いです。

周囲の手助けを得られにくい

町内会や老人会、民生委員等の活動が活発で、地域のつながりが強いエリアであれば高齢者の一人暮らしでも安心ですが、都市部など人とのつながりが希薄なエリアだと周囲の手助けを得られにくい面があります。何か困った時に気軽に頼れる人がいないのは不安です。

老後にマンション、戸建を選んだ場合の各項目メリット・デメリット

老後にマンション、戸建を選んだ場合の各項目メリット・デメリット
老後の暮らしでマンション・戸建てに住み替えた場合に、どちらが高齢者にとって安心できるのか、上記9つの項目別にメリット・デメリットを挙げていきます。

防犯 マンション◯

マンションの場合はオートロックのエントランスがあり、居住部分に外部からの侵入ができない作りになっていれば、防犯に関しては安全度が高くなります。オートロックなしだったり外壁から侵入しやすい作りのマンションやアパートだと、一気に防犯性能は落ちるため、高齢者が老後にマンションを検討するならば最低限オートロック付きを選ぶのがおすすめです。

防犯 戸建 △

戸建ての場合は侵入経路がドア、窓など多いので、マンションに比べて防犯性能は落ちます。ホームセキュリティを導入したり、窓やドアの錠の変更などを行えば防犯性能を高めることはできるので、老後に戸建に住み替える場合は費用がかかっても追加工事をしましょう。

温度管理 マンション◯

ここ20年以内に建てられたマンションであれば、ある程度断熱性能はしっかりしていますし、標準装備としてエアコンが取り付けられているものが多いです。逆に築年数が古いマンション・アパートだと、温度管理が難しい場合があるので、基本性能が高い物件を選んで住み替えると良いでしょう。

温度管理 戸建 △

戸建の場合はかなり個体差があり、特に中古だと低い断熱性能のものも珍しくありません。断熱工事やエアコンの取り付けは必須となるため、マンションより事後の工事費用はかかります。新築であれば断熱性能が高い物件を選び、冷暖房設備をケチらなければ問題ないでしょう。

家が広すぎる、部屋数が多い  マンション◎

老後に自分の手の届く範囲でコンパクトに暮らすという意味では、マンションやアパートは最適です。ただ、逆に夫婦で暮らす場合は、ある程度の広さや部屋がないとストレスになる場合があるので、プライバシー空間をどう確保するか考えながら物件を選びましょう。

家が広すぎる、部屋数が多い  戸建△

部屋数が多くなりがちな戸建は慎重に検討が必要です。また、マンションに比べてデットスペースも多くなりがちのため、手入れが行き届かないことも。

防災面での不安 マンション◯

1981年以降に建てられたマンションなら新耐震基準を満たしているため、地震の際の安心度は高いです。不安な面としては、高層階から避難する際のルート。また、水害等で孤立した際に物資が枯渇しないかも対策しておく必要があります。普段から避難ルートを確認するとともに、災害時の備蓄は確保しておきましょう。

防災面での不安 戸建△

2000年以降に建てられた戸建なら新・新耐震基準を満たしているため木造住宅でも地震の際の安心度は高いです。戸建の場合はマンションよりすぐ外に出れるのがメリットですが、避難場所へのルートや、自力でたどり着ける場所かの立地等を考慮して住み替える必要があります。

段差や階段 マンション○

共用部はエレベーターがついており、居室は階段等ないので、マンションは老後に住みやすいです。ただし、エレベーターなしの低層アパートは、たとえ2階でも避けた方が良いでしょう。また将来的に車椅子になった場合のことも考え十分な通路があるかも重要です。

段差や階段 戸建△

戸建てだと階段があるケースが多いので選択が難しいですが、最近は平屋が人気で選択肢が増えています。平屋で室内の段差もないようなデザインを選べば戸建てでも良いでしょう。また、門扉からドアまでに段差や階段がない物件に住み替えることが大切です。

スーパーや駅などから遠い マンション◯

マンションは駅近物件が多いので、選択肢は多いはずです。

スーパーや駅などから遠い 戸建◯

戸建でも市街地の物件を選べば問題ないでしょう。老後だからこそむしろ都市圏に出てくるのが合理的です。

体調が悪化した場合の孤立が不安 マンション△

マンションで唯一不安なのがこの項目です。隣家があると言っても、マンションやアパートだと近所付き合いを嫌がるお宅も多いため、人間関係は希薄なケースがあります。周辺の人々の生活が見えにくく、当然何かあっても発見されにくいです。定期的に様子を誰かに見に来てもらったり、見守りサービスのようなものを導入するのが良いでしょう。

体調が悪化した場合の孤立が不安 戸建◯

戸建の場合、生活実態が見えやすかったり、気軽に訪問できるため、何か様子がおかしい際にマンションに比べれば発見されやすいです。とはいえ、普段からの関係性の構築やその土地柄にもよるので、身内や見守りサービスに頼る手段を選ぶことも大切です。

周辺の立地が坂道が多い マンション◯

平地の物件を選びましょう。

周辺の立地が戸建が多い マンション◯

平地の物件を選びましょう。

周囲の手助けを得られにくい マンション△

プライバシーを重視した作りになていること、近所付き合いを好まない住民も多いことから、積極的に高齢者を手助けしようというマンションは多くありません。自立して生活することが前提となります。もし完全な自立が難しいようならサービス付き高齢者住宅のようなマンションを選ぶのが良いでしょう。ケアマネージャーや看護師の助けがすぐ受けられるメリットがあります。

周囲の手助けを得られにくい 戸建△

マンションよりは手助けを受けやすいとはいえ、誰かの助けをあてにして高齢者が単独で生活するのは長期的に見ると無理があります。訪問介護等を利用することも大事ですし、在宅で介護がうけやすい作りの物件であるかも重要です。

老後はマンションと戸建どちらに住むのが良いのか

老後はマンションと戸建どちらに住むのが良いのか
自立して生活するという前提においてはマンションの方がおすすめですが、一方戸建の方が周囲との関わりが増え安心という側面もあります。老後に実現したいライフスタイルや体調等の状態と合わせて、理想を叶えると同時にある程度の割り切りは必要です。高齢になるとともにできないことは増えていきますが、できる範囲でどう楽しむか考えて住み替えを検討しましょう。

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