所有権(しょゆうけん)
法令の制限内で、所有物を事由に使用収益、および処分することができる権利をいう(民法206条)。財産権の基礎をなす権利であり、その侵害に対しては、一般の損害賠償請求が認められる(同法709条)ほか、解釈上所有物返還請求権や妨害の排除・予防の請求権が認められる。所有権は、売買、贈与、相続等によって取得されることが多いが、無主物の先占(同法239条)、遺失物の拾得(同法240条)、埋蔵物の発見(同法241条)、不動産なら建増し等による附合(同法242条)、時効の完成(同法162条)等によっても取得される。なお、所有権を制限する法令には、土地収用法、建基法、都計法等があるが、昨今は権利濫用の法理によっても制限されることが少なくない。