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住宅ローン控除を活用してどの程度減税になるか計算してみよう

住宅ローン控除は一定期間の減税を受けられるため、節税対策として取り上げられることが多いですが、計算方法や適用条件が決まっています。実際に自分が購入しようとしている家の住宅ローンではいくら減税が可能なのか、今回は控除の仕組みについて説明します。

そもそも住宅ローン控除とは

そもそも住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは正式には「住宅借入金等特別控除」といい、居住用の自宅を購入やリフォームする際に住宅ローンを組んだ場合に、減税措置を受けることができる仕組みです。所得税と住民税から所定の控除金額を差し引きます。

住宅ローン控除の計算方法

住宅ローン控除の計算方法
住宅ローン控除は、住宅ローン控除の残高の0.7%を控除率として計算するというシンプルなものです。

例えば3,000万円の住宅ローン残高の場合
3,000万円×0.007=21万円

この21万円が所得税及び住民税から控除されます。住宅ローンの残高が残っている間は控除期間内なら毎年住宅ローン控除を申告可能です。
ただし、以下に挙げられるような要件での計算になります。

新築と中古、リフォームの控除対象借入額

・新築住宅による借入限度額上限(下記表)
  2023年入居 2024〜2025年入居
長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
その他の住宅 3,000万円 適用されず
※2023年12月31日までに
建築確認を受ける住宅または
登記簿上の建築日付が
2024年6月30日以前の住宅は2,000万円
(控除期間10年間)


上記表について解説をすると、それぞれの借入限度額上限を超えたローン残高の場合はその上限で計算することになります。つまり長期優良住宅・低炭素住宅で6000万円の住宅ローン残高の場合は控除の対象となるのは5000万円分なので、
5000万円×0.007=35万円
35万円が住宅ローン控除金額となります。ちなみに35万円は住宅ローン控除の上限額です。
基本的に新築の場合は住宅ローン控除が適用される期間は13年間となります。

また、2024年以降はその他の住宅が住宅ローン控除の対象外となります。ただし、2023年12月31日までに建築確認を受ける住宅または登記簿上の建築日付が2024年6月30日以前の住宅は、2024〜2025年入居の場合のみ10年間の控除期間が設けられています。

また、中古住宅を宅地建物取引業者が買取り、増改築を行って再販する買取再販住宅のうち、長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅の3つも新築住宅扱いになり上記表が適用されます。



・中古住宅による借入限度額上限(下記表)
  2023年入居 2024〜2025年入居
長期優良住宅・低炭素住宅 3,000万円 3,000万円
ZEH水準省エネ住宅 3,000万円 3,000万円
省エネ基準適合住宅 3,000万円 3,000万円
その他の住宅 2,000万円 2,000万円
その他の住宅(買取再販) 3,000万円(控除期間13年間) 2,000万円
リフォーム 2,000万円 2,000万円


上記表について解説をすると、中古住宅の場合は住宅ローン控除を受けられる期間は10年間です。ただし、その他の住宅の買取再販の場合は、2023年入居に限り新築と同じ扱いの控除期間13年間となります。

また、すでに居住している住居をリフォームした場合も住宅ローン控除を受けることができます。ただし、バリアフリー改修工事や省エネ改修工事、多世帯同居改修工事などを行い、それが住宅特定改修特別税額控除の対象に該当する場合は、併用はできないので住宅ローン控除か住宅特定改修特別税額控除のどちらかを選ぶことになります。

所得の要件と控除の計算方法

  • 住宅ローン適用対象者の所得が2,000万円以下
  • 住民税から控除できるのは所得税の課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)

新築住宅を購入し住宅ローン残高が3000万円の場合、控除金額は21万円となります。しかし、21万円全額が控除されるとは限りません。

住宅ローン控除はまず所得税から控除し、残った分を住民税から控除するという順番です。
所得税を年10万円支払っていると仮定すると、21万円-10万円=11万円
控除しきれていない額が11万円残っています。

残った分を住民税から控除するのですが、住民税から控除できるのは所得税の課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)です。つまり計算上は11万円控除できる金額が残っていますが最高で9.75万円しか控除できないので、

住宅ローン控除を申告できるのは
所得税からの控除分10万円+住民税からの控除分9.75万円=19.75万円
となります。

住宅ローン控除を受けるための住宅の条件

住宅ローン控除を受けるための住宅の条件
住宅ローン控除を受けるためには所定の要件を満たす必要があります。ここでは必ず押さえておくべき代表的なところをご紹介します。

新築の場合は基本的に長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅を選ぶべし

国はSDGsの取り組みとして脱炭素、脱温暖化、省エネの基準を住宅において定めています。適合していることが今後も住宅ローン控除やその他の優遇策を受けられる基準になりそうです。

床面積が50m²以上あること

共用部等を含めず居住エリアの床面積が50m²以上ある必要があります。例外として40m²以上50m²未満の新築の住宅で、2023年12月31日までに建築確認を受ける住宅は適用されますが、合計所得が1000万円を超える年はじゅうway買うローン控除の対象から外れるという但し書きがつきます。

中古住宅の場合、新耐震基準に適合していること

中古住宅を購入し住宅ローン控除を受ける場合、その住宅が1981年6月1日以降に適用された新耐震基準に適合している必要があります。逆にいうと、1982年以降に建設された中古住宅の場合は、新耐震基準に適合しているはずなので住宅ローンの対象とみなされます。それ以前の住宅の場合は、新耐震基準に適合するようにリフォームやリノベーションを行わなければなりません。

住宅ローン控除がどの程度受けられるかを把握しよう

住宅ローン控除がどの程度受けられるかを把握しよう
まずは自分の所得が2,000万円以下で、選ぼうとしている家が長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅のいずれかかであれば、住宅ローン控除は受けられる可能性が高いと考えていいでしょう。その上であらかじめ毎年どの程度の控除額になるのかシミュレーションしておくことで、安全なライフプランを立てられるようになります。

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