不動産売買をより安心にするために基本用語を押さえよう
初めて不動産売買を行う際にわからない単語が出てきて困る方も多いのではないでしょうか。正確に理解していないと後々トラブルに繋がる単語も多数ですし、一般的な意味とは異なったニュアンスで不動産業界内で使われている単語も中には存在します。今回は、必ず知っておいた方がいい基本的な不動産用語を紹介します。
ZEH
ZEHとはnet Zero Energy
Houseの略でエネルギー収支がゼロ以下になる住宅を指します。電気、ガスなどをはじめとするエネルギーを、節約すると同時に自分で作ることで電気代やガス代などがゼロもしくは黒字になることを目指す住宅です。よく目にするのは太陽光パネルを設置して自宅の電力を賄い売電もする、また建物の断熱性能が高く冷暖房の使用が少なくて済むような家があります。SDGsの取り組みの中でカーボンニュートラルや環境保護、温暖化防止などに有効ということで、ZEHで新築住宅を建築や購入すると補助金が国から出ます。
ちなみにZEHには段階が定められており、次の各段階によって補助金の額が変わります。
単にZEHという場合は、高断熱、太陽光発電システム、省エネ設備(LED照明や高効率給湯など)の3点を備えている必要があります。
ZEH+の場合には電気自動車充電設備や更なる高断熱外皮の導入など、再生可能エネルギーの自家消費拡大設備の導入が必要です。
次世代ZEH+は、ZEH+にさらに再生可能エネルギーの自家消費拡大設備の導入が求められます。例えば太陽光発電システムが10kw以上の高性能、太陽熱を利用した温水システム、燃料電池の設置などが挙げられます。
次世代HEMSはAIやIoTによるさらに高度な制御でエネルギーの自家消費を拡大します。HEMSとは(Home
Energy Management
System)の略で、家庭で使うエネルギーを節約し効率化するための管理システムです。
手付金
手付金とは物件を購入する際に買主が売主に代金の一部を支払うものです。契約が成立したことの証として用いられます。売買金額の10%程度が相場となりますが、金額に特段法的な定めはありません。
契約後に特に問題なく売買が完了すれば、手付金は代金の一部になります。しかし、何らかの問題で契約し手付金を支払った後に売買が不成立となった場合、以下のような状況が発生します。
【解約手付】
買主側の意志で契約解除:手付金は売主に没収されます
売主側の意志で契約解除:売主は買主に手付金の倍額を支払わなければなりません
【違約手付】
買主側の債務不履行で契約解除:手付金は売主に没収されます
売主側の債務不履行で契約解除:売主は買主に手付金の倍額を支払わなければなりません
申込金
申込金とは買主が不動産会社に対して物件を購入または借りる意思があることを示すお金です。正確には申込証拠金といいます。これは特に法的に定められた費用ではなく、業界慣習の一つです。
申込金を支払うことで、他に物件を購入したい人よりも優先順位が高くなるという効果があります。しかし、申込金の明確な用途はケースによってまちまちで、金額も特に決まっていません。そのため、申込金と手付金の混同や、契約しなかったのに不動産会社から申込金が返還されないなどのトラブルも起きています。
不動産会社から申込金を求められた場合は、どのような性質のお金なのか、返還されるのか、いつまで預けるのかなどをしっかり確認し、書面で預かり証をもらうようにしましょう。
ローン特約
ローン特約とは万が一買主が住宅ローンの審査に落ちた場合に契約を白紙にできる特約です。
住宅ローンの審査は不動産の売買契約が完了した後に行われます。売買契約時には買主は売主に対して手付金を支払っており、買主側の事情で契約解除する場合は、売主に手付金が没収されることが定められています。
この流れだと万が一住宅ローンの審査に落ちたときには住宅を購入する資金が手元にないため契約解除となりますが、その場合に契約時に支払った手付金が戻ってこないことになります。
これは住宅を購入する一般の買主にとっては大きなリスクとなるため、契約時にローン特約を設けるケースは多いです。
ローン特約で注意する点としては
・対象となる金融機関名
・希望の融資金額
・審査に要する期間
上記のような詳細な条件を明記しておく点です。融資はされたが希望の金額に満たなかったなどの場合に、ローン特約を使い契約解除したくても契約書に明記されていなければ通らないケースがあります。また、いつまでに解除の意思を示さないと無効になるなどの条件が決まっている場合もあるため、ローン特約を設ける場合は慎重に確認しましょう。