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高級住宅地の用地・不動産が売却できないリスクって?建築協定による土地活用の制限を解説!

高級住宅地の土地売却はハードルが高く、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。田園調布や南麻布、成城、青葉台に池田山など、東京には全国的に有名な高級住宅街が多数あり、購入時には全国から憧れのエリアとなっています。しかし、特に田園調布のような歴史が古い高級住宅街は売却しづらい傾向が強く、相続のトラブルの原因になるケースも多いようです。高級住宅地はなぜ売却しづらいのでしょうか。

高級住宅地の土地が売却しづらい理由

高級住宅地の土地が売却しづらい理由
高級住宅地は価格が高いのはもちろんですが、土地の使用方法に多くの制約があるケースが多いです。そのため、柔軟な売却ができず買い手がつかない状況が頻繁に起こります。言ってみれば、今ある土地をそのまま売らなければならないことが売りにくさの大きな原因です。

土地が高い

例えば、田園調布3丁目は1平米あたりの地価が高いエリアです。2020年のデータだと約109万円となっており、これはベッドタウンのイメージが強い中野区鷺宮の約54万円と比べると2倍の地価です。

もちろん、田園調布3丁目よりも高い地価のエリアは多数存在します。例えば港区表参道は約712万円ですし、目黒区自由が丘は530万円となっています。

しかし、これらの非常に高い地価のエリアは、住宅地だけでなくオフィス街や官庁街、大使館などがあり、商業施設もある程度揃っており交通の便が良いケースも多いです。つまり、個人の住宅向けというよりは法人が購入ターゲットであるため、高額でも売買が成立します。

もしこれらの利便性が全くなく、単に古くからの高級住宅地であるという理由だけで価格が高いとしたら、売却は難しくなります。利便性が高いエリアでも、個人住宅の用地であればやはり買える層は限られますから、買主を探すのは苦労するはずです。

分割売却ができない

高級住宅地はエリアによって建築協定が定められているケースが多いです。建築協定とはエリアの住環境を維持するために定めるもので、敷地面積の建築協定だと分割禁止、最低敷地面積の制限、地盤高の変更禁止、区画一戸建てなどが定められています。高級住宅地に相応しくない広さの家が立つことを防ぐ目的です。

売却の際に特に問題になるのは分割禁止です。ただでさえ地価が高い土地の上に建築協定で定められた広大な敷地をそのまま売ろうとすると、高すぎて買い手が付きづらくなります。そこで分割して売ることを考えますが、これも建築協定によって不可。買い手のない高額広大な土地を抱えることになってしまいます。

建築物に制限がある

建築協定は建てられる建築物にも制限を設けています。階数や高さ、建ぺい率や容積率などが定められているため、マンションのような集合住宅を建てることは基本不可能です。

これは高級住宅地に保有する土地に収益用の物件を建築する際の障害になります。マンションが建てられないから収益化しづらく、一戸建てに入れる経済状況の買い手を探すのは大変です。

また、デザインや色などにも制限があるため、好きな意匠の家を建てられません。こだわりがある買い手にはミスマッチとなります。

事業用地として売却できない

さらに、建築協定では土地の使用方法もルールが定められています。例えば、事業用地としての活用を禁止している高級住宅地は多いです。わかりやすい例がコンビニなどの店舗も住宅街に存在しない田園調布。最近では不便であることからルールが緩和され、少しづつですが店舗も入っているようです。とはいえ、他の場所に比べて制限が厳しいことに変わりはありません。

基本的に「個人向けに販売する一戸建て住宅を立てる用地」としてしか販売できないことで、売却の間口が非常に狭くなっていると言えます。

高級住宅地の土地が売却できないことで生じる問題

高級住宅地の土地が売却できないことで生じる問題
高級住宅地の売却ができないことで、どのような問題が発生するのでしょうか。身近に発生しうるトラブルで多いのは相続関係です。

相続の際のトラブルに

高級住宅街の広い家に住んでいるイコール裕福で親族も多いというイメージは間違っていません。一族単位で富裕層であるという可能性は高くなりますが、当然相続の額も相続人の人数も多くなります。

考えられるトラブルとしては以下です。

住宅の名義人が亡くなった後もその家族がその家に住み続けたいと考えていました。しかし、離れて住む別の相続人がその家の相続権を主張した場合、この相続人に不動産価値から算出した相続財産を支払わないことには家族は家に住み続けることはできません。

不動産価値を算出したところ莫大な金額になり、とても相続人に相続財産を支払うことができないとわかります。しかし、相続人は相続財産の主張を譲りません。この場合は裁判になりますが、基本的には家族は家に住み続けるのを諦め、家を売却した金額から相続人に相続財産を分与することになります。

しかし、高級住宅街の広大な高い土地は簡単には買い手がつきません。そこで最終的に裁判所が競売にかけることを命じます。ここでようやく売れる可能性が高いわけですが、当然一般市場での売買よりも安く売却が決まります。

市場価値よりも安い価格で売却した上に、相続人に相続財産を支払い、残った財産から住むところをまたゼロから探さなければならないというわけです。これは遺族にとって大変な負担ですので、高級住宅地の相続については名義人が存命中にしっかり方針を決めるなり売却するなりしておく必要があります。

買い手がつかないことで不動産価値が下落

買い手がつかなければ売れるように価格を下げることになります。これはその瞬間に売りたい人にとっては仕方ないですが、資産運用の一環で高級住宅街に不動産を持っている人にとっては痛手です。

町がゴーストタウン化

田園調布では高齢の住人が退去したのち、買い手が結局つかない空き家が増加中です。このため町がゴーストタウン化しています。

ゴーストタウン化の問題点は単に人が少ないだけでなく、空き家が増えることで犯罪のリスクが増すことです。犯罪のリスクが増えるとそこは閑静な住宅街と言えなくなり、ブランド力を失います。その結果、不動産価値が下落する危険もあるのです。

高級住宅地の土地を売却するには

高級住宅地の土地を売却するには
高級住宅地の土地は、これまでと運用方法や用地目的を変えて売却するというやり方は不可能なケースが多いです。一戸建て売り用地で買ってもらう人を探す必要があります。

健ハウジングは高級住宅地の建売住宅の売買に関するノウハウがあります。買い手とのネットワークも豊富にあるため、高級住宅地であっても自信を持って自社の建売用地を積極的に仕入れ中です。

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