抵当権(ていとうけん)
債務者または第三者(物上保証人)に用益させたままで、債務の担保として提供した不動産等について、優先弁済を受ける担保物権をいう(民法369条以下)。優先弁済は、通常、民事執行法に従い換価(任意競売)によるが、破産の場合は別途権(破産法92条以下)、会社更生では更正担保権(会社更生法123条等)によって行う。抵当権者は目的物の交換価値だけを確保し、設定者に使用収益権を留保することから、生産財についても最も合理的な担保とされ、不動産に限らず、特別法により、鉄道財団(鉄道抵当法)、工場財団(工場低当法)、航空機(航空機低当法)、船舶(商法848条以下)、自動車(自動車抵当法)、建設機械(建設機械抵当法)等を対象とする抵当権もある。