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無能力者(むのうりょくしゃ)

行為能力、すなわち単独で完全な法律行為を行う能力を欠く者をいう。民法は未成年者(民法4条)、禁治産者、準禁治産者の三者を定め、それぞれ保護機関として親権者、後見人、保佐人を置いた。無能力者制度判断能力の十分でない無能力者に一定の行為について取消権を認めることによって、その保護を図ろうとするものである。取引の相手方は、たとえ無能力者を能力者と信じていたとしても全く保護されないので、法定代理人と取引を行うか、同意権者の同意の有無をよく確かめる等の注意が肝要である。ただし、無能力者が詐術を用いたため、これを能力者であると信じたような場合、取消権は発生しない(同法20条)。[→行為能力]

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