家を買うのにおすすめできる8つのタイミング
住みたい家が見つかったとき、子供が生まれるなどライフステージに変化があったときに家を買おうとなんとなく考えている方は多いかもしれませんが、家を買うタイミングとして本当に合理的なのはいつなのでしょうか。今回は家の購入に欠かせない資金に焦点を当てて、家を買うおすすめのタイミングを上げていきます。
①資金が溜まったタイミング
住宅購入イコール住宅ローンを使用して購入するというイメージがありますが、全額を住宅ローンで賄うわけではなく購入時に頭金を入れるのが一般的です。頭金の額が大きければ大きいほど住宅ローンの借入額が減るので、返済額が減り返済期間も短くなります。
東京23区内の新築住宅の価格のボリュームゾーンは4,000〜7,000万円です。国土交通省が発表する「令和2年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、初めて住宅を購入した人の自己資金の割合は注文住宅が22.0%、分譲戸建住宅が20.6%、分譲マンションが25.6%。仮に豊島区に6,500万円で注文住宅を購入する場合、1,430万円が自己資金の目安ということになります。これを一つの基準とすると大体1,500万円程度の自己資金が貯まったら家を買うタイミングと言えそうです。
また、住宅購入の際には物件購入費用とは別に諸費用が発生します。これは不動産取得税や登録免許税、仲介手数料など購入時に現金で支払わなければいけない費用で、物件価格の5〜7%が目安といわれています。6,500万円の注文住宅であれば400万円程度が諸費用としてかかる計算です。
つまり、自己資金を1,500万円用意した場合、1,100万円が頭金、400万円が諸費用という配分になります。この他に当座の生活資金も確保しておく必要があります。
購入する物件の価格で適切な自己資金の額は変動しますが、ある程度物件を選べる自己資金というところでいえば1,500万円が現実的なところです。
②ローンを長期で組めるうちに
上記で自己資金の説明をしましたが、1,500万円も貯金がないという方も多いでしょう。若ければ長期の住宅ローンを組むという選択肢もあります。
住宅ローンの借入期間は最長35年間です。仮に60歳までに返済を目指すとして25歳から住宅ローンを組めば35年間フルで住宅ローンを設定できます。さらに、住宅ローンの返済ができる最高年齢が81歳であるため、81-35=46歳までに住宅ローンを組めば最長の住宅ローン借入が可能です。
しかし、高齢になって返済しなければいけないというのはキツいと感じる方が多いでしょうし、そもそも年齢を経るほど条件の良いローンが組めない可能性が増してきます。35年の長期で住宅ローンを組むのであれば、できれば20代遅くとも30代中頃までに家を購入したいところです。70歳までに返済を終えるように住宅ローンを組むのが現実的ではないでしょうか。
④収入が安定したタイミング
長期にわたり収入が安定する見込みができたら家を購入するタイミングです。ほとんどの人は全額一括支払いで家を購入することはないはずなので、毎月の住宅ローンの返済が発生します。長期の住宅ローンを組むイコール長期的な支払いができる見込みがあるということ。若いうちに家を買いたいと思っても収入が安定していなければローンの審査に通らないでしょう。実際には先のことはどうなるかわかりませんが、金融機関から高い与信を得られる就業先に在籍している、もしくは明らかに安定した収入状況があるうちに家を購入した方が良いです。
ちなみに世帯年収でいうと700万円を超えたくらいで新築住宅を購入する人が多いようです。月々の返済額は15〜25万円程度。月収の半分弱くらいをローン返済に回すイメージです。
⑥子供が産まれたタイミング
子供が産まれたから子育てしやすい家に引っ越そうということで家を購入する人が一番多いかもしれません。必要性に駆られるというのもありますが、実は育児世代は住宅ローンを組む上でもメリットがあります。住宅金融支援公庫が提供するフラット35は子育て世帯を対象にした住宅ローンです。フラット35には地域連携型というタイプの商品があり、これは子育て支援に積極的な地方公共団体と住宅金融支援公庫が組むことで金利を下げているもの。
また、国は2023年3月、「今後3年間で加速して取り組むこども・子育て対策」の一環として、フラット35の金利を引き下げる優遇策を新たに検討していると発表しました。今後も子育て×住宅ローンの優遇政策は登場する可能性があるので、子育て世代の世帯は要チェックです。