不動産トピックス
不動産トピックス
国土交通省はこのほど、16年地価公示を発表した。16年1月1日時点の地価公示は全国平均で0.1%上昇。
リーマン・ショックが起きた08年以来、8年ぶりに上昇に転じた。
全用途平均の地価公示が上昇したのは、商業地の地価動向によるところが大きい。
商業地の全国平均は0.9%上昇。15年調査では横ばいだったが、今回8年ぶりの上昇となった。
[東京圏]
◇23区全体で1.9%上昇(1.8%上昇)。昨年と同様に23区内での住宅地への需要は根強く、全ての区が上昇を続けている。なお、上昇率が昨年より大きくなった区が多く見られ、特に中心区では高い上昇率を示す区が見られる。
[大阪圏]
◇大阪市は0.3%上昇(0.1%)。中心区は大阪駅への交通利便性に優れ、旧来から名声の高い住環境が良好な地域が多く、戸建住宅、マンション素地ともに需要が堅調で、上昇率が昨年より大きくなった区が見られる。
・中央区は3.3%上昇(2.9%)。交通利便性や住環境が良好な地域でマンション素地需要が堅調なことから、上昇率が昨年より大きくなった。
◇堺市は0.2%上昇(0.2%)。交通利便性や住環境が良好な地域で上昇地点が見られ、上昇を続けている区が多く見られる。
その他大阪市の中心部への交通利便性が良好な北摂エリアでは、駅徒歩圏で住環境良好な地域で需要が堅調となっており、上昇を続けている市町が多く見られる。
[名古屋圏]
◇名古屋市は1.7%上昇(2.6%上昇)。上昇率が昨年より小さくなったが、名古屋市内中心部への交通利便性が良好な地下鉄沿線を中心に需要が堅調で、港区を除き各区で上昇を続けている。
・東区は4.8%上昇(7.4%上昇)。昭和区は4.4%上昇(5.6%上昇)。瑞穂区は3.5%上昇(4.7%上昇)。優良住宅地やマンション素地の根強い需要があり、上昇率が昨年より小さくなったが、依然上昇を続けている。
◇西三河地域は、地域経済が好調で堅調な住宅地需要から、上昇を続けている。
・刈谷市は2.2%上昇(2.3%上昇)。上昇率が昨年より小さくなったが、業績好調な自動車関連企業が集積しており、従業員による住宅取得需要が堅調で上昇を続けている。
◇尾張地域は、名古屋市中心部への交通利便性が良好なこと等から需要が堅調で上昇を続けている。
・日進市は3.1%上昇(3.6%上昇)。名古屋市のベットタウンとして近年宅地開発が進み、住環境良好な住宅地が多いことから根強い需要があり、上昇率が昨年より小さくなったが、依然上昇を続けている。
◇知多地域は、名古屋市中心部への交通利便性が良好な一部の地域で需要が回復し上昇している市町が見られるが、その他の地域では、依然下落基調が続いている。
[地方圏]
《北海道札幌市》
◇住宅地は0.7%上昇(1.2%上昇)、商業地は1.5%上昇(1.6%上昇)となった。
◇住宅地では、上昇率は昨年より小さくなったが、市中心部や地下鉄沿線等の住環境良好な地域で戸建住宅、マンション素地への需要が堅調で上昇を続けている。特に中央区の宮の森・円山地区は、人気が高く上昇を続けている。
◇商業地では、上昇率は昨年より小さくなったが、札幌駅周辺のオフィス、店舗ともに需要が堅調で、再開発事業の進展やマンションの需要も見られ上昇を続けている。
《宮城県仙台市》
◇住宅地は3.2%上昇(3.1%上昇)、商業地は4.2%上昇(3.4%上昇)となった。
◇住宅地では、人口が増加するなど戸建住宅、マンションともに需要は堅調で全ての区で上昇を続けている。特に、地下鉄東西線が平成27年度開業を控え、沿線周辺での住宅地需要が旺盛で上昇が続いている。
◇商業地では、堅調な事務所需要が続き、また、人口の流入増加に伴う店舗の売り上げが好調であることや仙台駅東口周辺では土地区画整理事業等の進展から商業施設も充実し、周辺でのマンション販売も好調なことから、上昇率が昨年より大きくなっている。
《広島県広島市》
◇広島市の住宅地は0.2%上昇(▲0.4%)、商業地は2.2%上昇(0.4%上昇)となった。
◇住宅地では、交通利便性及び住環境が良好な平坦地の地域で需要が堅調で下落から上昇に転じた。特に中区ではJR山陽本線とアストラムラインとの結節点に平成27年3月に新駅(新白島駅)が開業予定であり、東区では広島駅周辺での大型商業施設開設等による生活利便性の向上が見られ、また、南区でも商業集積が進み生活利便性の向上が見られること、などからそれぞれ上昇を続けている。
◇商業地では、中心商業地である八丁堀交差点周辺及び紙屋町交差点周辺で新たな大型商業施設の開業が相次ぎ、また、JR広島駅周辺についても再開発事業、大型商業施設の開設等から繁華性の向上が見られ、上昇率が昨年より大きくなっている。
《福岡県福岡市》
◇住宅地は2.2%上昇(1.8%上昇)、商業地は3.8%上昇(2.9%上昇)となった。
◇住宅地では、戸建住宅、マンションとも需要が堅調で全ての区で上昇を続けている。特に、地下鉄沿線での生活利便性が良好な地域では、上昇率が昨年より大きくなっている。
◇商業地では、博多駅周辺では大型再開発ビル計画も相まって、一層の集客力向上が期待され、また、地下鉄駅至近の商業地では堅調なマンション素地需要を背景に、上昇率が昨年より大きくなっている。
表1 住宅地の変動率上位順位表(全国)
順 位 |
都道府県 | 標準値の所在地 | 平成27年 公示価格 (円/m²) |
平成28年 公示価格 (円/m²) |
変動率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
1 | 北海道 | 虻田郡倶知安町字旭305番38外 | 7,100 | 8,500 | 19.7 |
2 | 北海道 | 札幌市中央区大通西28丁目203番10 『大通西28-2-5』 | 227,000 | 263,000 | 15.9 |
3 | 北海道 | 札幌市中央区宮の森3条7丁目55番 『宮の森3条7-3-22』 | 129,000 | 149,000 | 15.5 |
4 | 北海道 | 札幌市中央区北14条西15丁目35番25 『北14条西15-3-13』 | 80,000 | 92,000 | 15 |
5 | 北海道 | 札幌市中央区南4条西23丁目11番3内 『南4条西23-2-21』 | 142,000 | 163,000 | 14.8 |
6 | 北海道 | 札幌市豊平区旭町3丁目76番150外 『旭町3-2-27』 | 96,000 | 110,000 | 14.6 |
7 | 北海道 | 札幌市中央区北8条西18丁目2番1外 | 104,000 | 119,000 | 14.4 |
8 | 福島県 | いわき市泉ケ丘1丁目19番16 | 35,700 | 40,500 | 13.4 |
9 | 東京都 | 港区南麻布4丁目19番1外 『南麻布4-9-6』 | 2,190,000 | 2,480,000 | 13.2 |
10 | 福島県 | いわき市平下平窪3丁目4番5 | 46,300 | 52,300 | 13 |
順 位 |
都道府県 | 標準値の所在地 | 平成26 公示価格 (円/m²) |
平成27年 公示価格 (円/m²) |
変動率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
1 | 大阪府 | 大阪市中央区心斎橋筋2丁目39番1 『心斎橋筋2-8-5』 | 5,700,000 | 8,270,000 | 45.1 |
2 | 大阪府 | 大阪市中央区道頓堀1丁目37番外 『道頓堀1-6-10』 (づぼらや) | 2,020,000 | 2,830,000 | 40.1 |
3 | 愛知県 | 名古屋市中村区椿町1501番外 『椿町15-2』 (ミタニビル) | 2,290,000 | 3,170,000 | 38.4 |
4 | 大阪府 | 大阪市中央区宗右衛門町46番1外 『宗右衛門町7-2』 (Luz(ラズ)心斎橋) | 7,010,000 | 9,550,000 | 36.2 |
5 | 愛知県 | 名古屋市中村区名駅2丁目3603番 『名駅2-36-10』 (松岡第二ビル) | 1,140,000 | 1,550,000 | 36 |
6 | 大阪府 | 大阪市北区茶屋町20番17 『茶屋町12-6』 (エスパシオン梅田ビル) | 1,930,000 | 2,550,000 | 32.1 |
7 | 石川県 | 金沢市広岡1丁目112番外 『広岡1-1-18』 (伊藤忠金沢ビル) | 343,000 | 450,000 | 31.2 |
8 | 大阪府 | 大阪市北区小松原町18番3 『小松原町4-5』 (珍竹林) | 1,060,000 | 1,350,000 | 27.4 |
9 | 大阪府 | 大阪市中央区難波3丁目27番27外 『難波3-6-11』 (なんば池田ビル) | 3,650,000 | 4,620,000 | 26.6 |
10 | 北海道 | 札幌市中央区南1条東2丁目8番1 (サンシティビル) | 348,000 | 440,000 | 26.4 |
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